思春期前の子供の真性包茎は異常ではない
子供が真性包茎なのではないかと心配し、クリニックで質問をする母親は非常に多く見られます。
新生児で包皮の先端が抜ける子はほとんどいません。
とはいえ年齢とともにだんだんとむくことができる子供の割合が増えて、思春期を迎える頃には、9割以上の子供が皮をむき亀頭を露出できるようになります。
これは男性ホルモンの影響が大きいことが理由です。
そのため思春期前の子供で真性包茎であったとしても特に異常ではなく、無理をしてむく必要や、むいて洗わなければならないということはありません。
しかし子供の頃にどうしてもクリニックで治療が必要な真性包茎の子供がいるのも事実です。
例えば包皮の先が狭すぎて針の穴のように小さくなっていて、尿をするたびに先の皮が風船みたいに膨らんでしまう、尿が真っ直ぐに飛ばすに横に飛んだりするので立ってできない、先端がよく赤くなって痛がるなどの症状が挙げられます。
このような症状が見られる場合には、思春期以前の子供でもクリニックでの積極的な治療が必要といえます。
思春期前の子供の真性包茎で行われる治療
クリニックで真性包茎の治療を受ける場合には、以前までは手術が基本となっていましたが、近年では軽いステロイドが入った軟膏が包皮を広げるために効果があることが分かってきています。
その理由はステロイドが男性ホルモンに似た働きをするためであり、包皮の先端を広げて皮がくっついている部分をはがす効果が期待できます。
軟膏であるため体内にもほとんど吸収されず、安全に短期間の内に包皮をむけるようになります。
とはいえ全員に効果があるわけではなく、しばらくしてまたむけなくなってしまうこともあり、清潔な手で扱わなければ包皮炎になる可能性もあり注意が必要です。
軟膏治療を行ってもどうしても改善できない場合には、手術が必要になることもあります。
クリニックにおいては後の成長や整容性などを考慮した上で、様々な手術方法の中から背面切開と呼ばれるものを行うのが主流ですが、年齢や希望に応じ環状切開を選択するケースもあるでしょう。
まとめ
このようなことから、思春期未満の子供の場合には、例え真性包茎であったとしても、積極的な治療は特に必要ないということがわかります。
とはいえ積極的に治療を行わなければならないケースもあるのが事実です。
真性包茎であることにより、様々な弊害が発生しているのであれば、早急にクリニックで相談する必要があるでしょう。
また思春期が近くなってきたのにも関わらず、どうしてもむけずに子供が悩んでいるという場合にも、積極的な治療が望ましいと言えるため、子供の状態を観察したり話をよく聞いてあげるようにしましょう。